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2020年07月19日 09:38
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一人の男がいた―――。自分の親に裏切られ、兄弟に裏切られた。それでも彼は登りつめる。彼は圧倒的劣勢を覆した。彼は自らに対する度々の謀反を許した。彼は自身の正義に対して厳格だった。彼は必要なら女子供までも殺した。そして、彼は神になることを望んだ。崇め、奉られることを。何故だろうか―――。私には理解できない。人の分際で、何故神になれるのだろうか。所詮、人は人であるというのに。雨は止まない。自室、今までずっと置き去りにされていた彼の論文が目に入る。こんな時に何故、俺は読みたい衝動に駆られるのだろう。彼の名残をそっと手に取る。現人類のルーツとマナの正体 2013,9,10ダニエル・ショシャン
2020年07月19日 09:15
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「次の予定は?」「十二時十分から経団連会長との食事会、十二時三十分から厚生省の査察。五時から国際フォーラムで演説会があります。」「...食事会は十分遅れようか。」「分かりました。」「......なかなか様になってきたじゃないか。」彼は言う。視界の隅、バックミラー越しに表情が窺える。満足気だった。気分良さ気に外を眺める。「私の目に間違いは無かった。そうだろう?」それが俺に向けられているものだと自覚する。「どうでしょうか。」「ふふ...お前はそれで良い。」相変わらず外を眺めたまま、彼は笑う。 四年が経った。あれから四年、俺は田所健二の私設秘書として今まで働いている。その後の学校生活はごく
2020年07月19日 09:05
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最後まで読んでいただきありがとうございます。
最後のほうは朧気ですが出来るのなら自分一人で読み解いてほしいと思っています。
人間性を捧げよ
あるものからそれを教えてもらいました。
何かを成す為にはそれは何においても通ずるものだと思います。
たくさんの人にたくさんの事を教えてもらいました。
それをこの本に書き留めました。
あたなは譲れない何かの為に大切な何かをどれだけ捨てられるでしょうか?
仮にあなたが譲れない何かの為に大切な何かを捨てたとして、仮にそれが誰かに避難されたとしても私だけはそれを肯定している事を忘れないで欲しいです。
良くも悪くも世の中の理は変わりません
2013年12月29日 20:15
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ダンッ
乾いた音が一つ。
薬莢が跳ねる。
銃弾を躱す。
近接する。
ダンッ
もう一つ。
銃弾は跡形もなく黒い靄の中に消えた。
「ッ……!!」
一気に間合いを詰める。
横に一閃。
「ッぐ……」
裂いた。
がしかし浅い。
一撃で仕留めたいところだった。
2発目を処理した瞬間、田所の中の余裕が消えた。
もっと早く動けていればと思う。
冷静だった。
いつもより何倍も。
冴えわたっていた。
正直楽しんでさえいる。
「驚いたよ
2013年12月29日 04:40
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「豪。そろそろ煉一人に任せてみようと思う。」
前触れなく田所は零す。
突然の事に叔父さんは揺らいだ。
「ですが、」
「いや、いいんだ。」
今後を憂慮してだろう。しばらくは無言のままだった。それでも叔父さんは言った。
「…分かりました。」
その返答に田所はんん、と短く返事をすると同じ様に外を見やったままぼうっとしていた。
幾日か経った後、田所は俺一人を連れていくようになった。叔父さんは田所の代理として他議員の演説会に出席するなど別行動をとっている。叔父さん程の力量を持ち合わせていないと知りながら俺一人に任せたのは将来を見越してだったのか。その判別はつかない。
叔父さんがいなくなって
2013年12月01日 04:13
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「煉、次の予定は?」
叔父さんが次の予定を尋ねる。
ミラー越しに田所の姿を盗み見る。
いつも通り彼はぼうっと外を眺めていた。
ただ、その雰囲気はほんの少しだけ沈んでいるようにも見えた。
ダニエル・ショシャンが死んだ。同時に彼のしてきた事が分かった時、田所は一言、
――惜しい人材を亡くした。
それだけ呟くと、彼との関係の一切を抹消した。
その言葉を聞いても、俺の心は動かなかった。
普段以上に穏やかだった。
何も感じていなかったのかもしれない。
田所はどう思ったのだろうか。
「8時半から――。」
いつも通り、車内で一日の予定を再度確認しながら目的地に向かう。
空は青かっ
2013年11月17日 06:42
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一人の男がいた―――。
自分の親に裏切られ、兄弟に裏切られた。
それでも彼は登りつめる。
彼は圧倒的劣勢を覆した。
彼は自らに対する度々の謀反を許した。
彼は自身の道理に対して厳格だった。
彼は必要なら女子供までも殺した。
そして、彼は神になることを望んだ。
崇め、奉られることを。
何故だろうか―――。
私には理解できない。
人の分際で、何故神になれるのだろうか。
所詮、人
2013年11月03日 09:31
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古いアパートだった。今ではもう誰にも使われていないのではないだろうか。そんな風に見える。
こんな処に住んでいるのだろうか。
いや―――。
不信感。
妙なざわつき。
違う、何か。
行かない方がいい気はしていた。
それなのに足を運ぶ。
彼は慣れた様子で部屋に入る。
鍵は―――。かけていない。
多分最初からかかってすらいなかった。
彼が部屋に入って数分。
どうしようか。
入らない方がいい。
でも。
好奇心だけならこんな事はしていない。
そこまで他人に対して興味は無いのだから。
ドアノブに手がかからない。
何故だ。
こんな時に彼女はいない。
無意
2013年10月27日 08:18
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田所を家に送ると、八時半頃になっていた。
一度事務所に戻り、そこから自宅に着くともう九時近くになる。
玄関をくぐると一息。
明日も八時には家を出ることになるのだ。身体的な疲労が重なる。休日が恋しい。
部屋に戻ると少女と二人。
四年前と接し方もさほど変わった訳ではない。暇さえあればいつでも考えている。
同じように、ベッドに寝転がる。
何故、また会ったのだろう。
何故、俺は覚えていたのだろう。
神はいったい何がしたいのだろうか。
そんな事を考えて、いつの間にか眠りについた。
眠りにつくと彼女は一人。
胸を高鳴らせる
2013年10月20日 06:56
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